今更かよって感じですが、Palinさんが「アメリカは、フランスの小蝿の研究にまでお金を出してるんですって。(無駄じゃん)」とかって言ったそうですね。はあ。
よりによって、fruit fly・・・。このPalinさんが指してる研究は、オリーブに付く害虫として蝿を扱ってるそうですが、一般的な生化学の人間にとっては、蝿と言えば、遺伝学と発生学です。あんた、蝿のおかげでどれだけ色んな基本的なことが分かったと思ってんの。そしてそれがどれだけ直接的に医学に貢献してるかと。
まあでも、これは最近よく見かけることです。ふつーに暮らしてる人って、科学の知識なんて全然いらないし、ニュースで見かけることと言えば、医者がミスって患者を殺したとか、製薬会社大もうけ中とか、スペースシャトルが故障したとか、コーンエタノールは実は高いとか、そういったことくらい。そういった人たちに、「酵母を使ってこの蛋白質を研究するとね・・・」とか言っても「はあ?」ってな感じなのは当然です。日々の生活に目に見えるかたちで関わってないので。
でも、そういう人たちの税金でもってうちらは研究をして、納税者の方にもまあまあその成果が還元されてるんだから、普通の人ももうちょっと科学を知ったほうがお得なんじゃないかと思います。だけど、いきなり勉強しようとしても取っつきづらいし、研究者は実験やったり専門的なプレゼンなら上手いけど一般向けに話したりするのは絶望的に下手だし、中間で取り持とうとしてる人は結局断片的にしか伝わらなくて結果偏ってしまうし。難しいもんです。だけど、ちょっとは分かってないと、ワクチンで自閉症になるとかテレビで言ってるのを信じちゃったりして害になるのが最近のご時世の怖いとこです。
まあ、少なくとも、国策を決めようとかいう人には、高校レベルの生物学と、それが最先端の研究にどう繋がってるのか(実はびっくりするほど繋がってる)、ってくらいは知ってて欲しい。こっちの方の害は、沢山の人に影響を及ぼすので。しかも、うちらはこの先こういう人たちを説得して研究費を頂かなきゃいけない立場だし。あー・・・こういう人たちは、GFPの人たちにもクラゲってだけで「はあ? クラゲ? そんなもん邪魔者なだけでしょ! ムダムダ!」とか言っちゃうんだろうなあ・・・。ポイントはクラゲじゃないんだよ! でももっと腹立つのは、何でポイントはクラゲではなく、そしてGFPは大事なのか、ってのをこういう人に説明するのがほんっとに大変だって事です。何かいい方法はないもんだろうか・・・。

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